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あるところに魔法使いが住んでいました。




彼は、孤独な男で誰とも関わろうとせず、何時も一人で生きていました。
彼は、根暗な男で深く心を閉ざし、何時も黙りこくっていました。
彼は、魔法を愛していました。
彼は、人間を憎んでいました。
彼は、混沌の中を生きることを望みました。
彼は、秩序の中を生きることに絶望しました。




そんな彼は何時も、『ナニカ』と話していました。
『ナニカ』は人間でもなく動物でもない。魚でも、鳥でも、植物でもありませんでした。
『ナニカ』は彼の唯一の友人で彼の唯一の家族でした。
『ナニカ』は彼が呼びかけるとすぐに彼の元にきました。
『ナニカ』が彼を呼ぶと彼はすぐに『ナニカ』の元に行きました。
『ナニカ』は彼の魔法を愛していました。
『ナニカ』は彼の魔法に愛されていました。





そんな時、彼の住む家に無数の槍が飛んできました。
彼を恐れた人々が彼を殺すために放ったものでした。
彼と『ナニカ』は魔法を使いすぐに逃げました。。





彼らはそのまま行く当ても無い旅に出ました。
彼らは旅の先々で忌み嫌われた存在でした。
彼らは時に自分達の存在を否定しました。
彼らは時にお互いの傷を舐めあいました。





彼らは旅の途中で魔女に会いました。
その魔女は両親を人間に殺されたそうでした。
『ナニカ』と旅の魔法使いはその魔女と共に旅をすることにしました。
三人はすぐに親友になりました。
『ナニカ』以外に友達がいなかった魔法使いはその魔女と友達になり久々に温もりを知りました。
『ナニカ』はその魔女の魔法が好きになり彼女と話すことに喜びを感じました。
魔女は両親を失って以来初めて知った人の優しさに心が揺れました。


そんな時。


人間に魔女が殺されました。




魔法使いと『ナニカ』は遂に怒りました。
人間に対して復讐をすることを誓いました。
魔法使いは『ナニカ』と共に手当たり次第に人間の村を焼き尽くしました。
老人、女、子供も関係なく彼の復讐の炎は黒く黒く黒くその村々を焦がし消していきました。





彼の復讐が完成したとき彼は自分の心臓にナイフを突き刺すことにしました。
復讐の代償。自分の大罪。
全ての事柄に終焉を求めたのです。
彼は『ナニカ』に最後に名前をつけました。
『ナニカ』は名前を持たずに生きていたのです。
そして遠くに逃げることを命令しました。
『ナニカ』は彼を抱きしめた後、名残惜しそうに去っていきました。
彼はその後すぐに魔女の亡骸の埋まる地の上で自らの命を絶ちました。





『ナニカ』の名前はXXXXXという名前を持ちました。
それは魔法使いの最大の友人でした。

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